カシコレラ

高校教員を早期退職。「人生は実験だ」を合言葉に妻と信州に移住。 農・DIY・お金稼ぎの経験皆無の凡人が自給的暮らしを探求中。気ままにあれやこれや投稿。ひととひと、農と環境と教育をつなぐ「虹色ラボ」、真に持続可能な暮らしと生き方研究所「いっさ」主宰。

9月18日、戦争と平和について考える

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 今から90年前の1931年9月18日、日本軍(関東軍)は柳条湖事件という謀略事件を起こし、これがこの後15年間続く戦争の幕開けとなった。日本人が戦争と平和について考えなければならないのは、8/15よりむしろ9/18だというのが私の考えである。

 1931年9月18日、中国東北地方(いわゆる満州)に駐屯していた関東軍が、南満州鉄道(半官半民の日本の国策会社)に仕掛けた爆薬を自ら爆発させておきながら、それを中国軍(中国国民党軍)のしわざだと主張した(柳条湖事件)。”自衛のため”と称して軍事行動を開始し満州を占領しようとしたのだった。


 この謀略を発端に、満州事変という呼称で戦争(中国への侵略戦争)が開始された。日本国民には謀略は一切伏せられ、宣戦布告もないまま、戦争はこの後1945年まで15年間続いた(15年戦争概念図参照)。

本日付けの朝日新聞デジタル社説に関連記事が掲載されていた。

朝日新聞デジタル(社説)「満州事変90年 歴史を複眼視する重み」:2021年9月18日
https://www.asahi.com/articles/DA3S15047363.html

 

 なお、今日、広義の平和について、私が考えたことは次のようなことである。

 多々ある中国での謀略事件の首謀者は、関東軍の指導者など軍部である。それをもって中国への侵略行為や虐殺行為は狂気の軍部のせいだと単純に考えるだけでは不十分だ。当時の政策決定の過程を詳細に読み解くと、軍部がつくった既成事実を”これくらいならまあいいかぁ”と、”小さな同意”を与え、誤った既成事実を次の政策を決定する前提としてしまう”状況追従的な思考” を当時の政府首脳などが積み重ねていたことがわかる。まっとうな道を歩むためには、何をすべきで、何をしてはならないか、冷静で正確な認識を持ち、それを実行することが必要だ。当時の軍部、政府首脳などの指導者層、そして、多くの日本の民衆も、平和や人権についての冷静で正確な認識を持てず、”小さな同意”と”追従的思考”を脱することができなかった。未来を切り拓くためには、わたしたちひとり一人が、平和、人権、環境、民主主義というような普遍的価値について冷静で正確な認識を持つことが大切だと改めて思った。

 

◆ 参考文献:小川幸司「満州事変をくいとめることはできなかったのか」(『世界史との対話(下)』)


◆関連Web記事

満州事変とは? きっかけや原因、満州国の建国、日中戦争への流れをわかりやすく説明【親子で歴史を学ぶ】
(「HugKumはぐくむ~子どもと一緒に楽しむ、学ぶ、成長する。by小学館」より)
https://hugkum.sho.jp/167295#i-6

・世界史の窓 柳条湖事件
http://www.y-history.net/appendix/wh1504-038.html

麦類の畝準備

農閑期に計画が多々あるため、麦類の作付け面積を大幅に減らすつもりだ。
栽培目的を、種の継承、栽培の研修・実験に限定しようと思っている。
そのための畝づくりに着手している。

今日は、露で湿った土が適度に乾くのを待ってから作業を開始。
月明かりの下で作業を終えた。
美観を損ねるポリマルチだが月明かりに照らされて幻想的だった。


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(昨日、刈り取った草を熊手で脇に寄せるところから作業開始)

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(耕運機をかけたら畑らしくなった。この後、幅60cmの畝を2本立て、1本にはポリマルチをかけた)

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キュウリの落下

  今朝、ラボ1畑を見渡したら自家採取用のキュウリがいない!案の定、落下していた。昨年は実の付け根の部分に少しずつ亀裂が入って落下。まだ亀裂が入ってないから落下はまだ先のことだと思っていたので意外だった。近日中に採種しよう。

*身体測定の結果:全長380mm、胴囲280mm、1.3kg

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昨年の落下と自家採取の様子 ↓
◆ キュウリの落下・自家採取(カシコレラ2020-10-23)
https://kasikorera2017.hatenablog.com/entry/2020/10/23/213438

雑草による無農薬・無肥料栽培の土づくり ~吉田俊道さんの考えと実践②

【雑草による無農薬・無肥料栽培の土づくり ~吉田俊道さんの考えと実践②】

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   肥料に頼らず作物を栽培するには様々な工夫が必要だ。来春に向けてこの秋から新たに試行しようと思っているのが、吉田俊道さんが提唱する「雑草を使った糸状菌が優先的に活躍できる土づくり」。

  そのためには、ススキ、チガヤ、セイタカアワダチソウなどの背が高くて葉の硬い多年草を大量に集めて枯らせておく必要がある(雑草の代わりに、もみ殻、木屑、竹チップ、生ごみでもできるそうだ)。

  私が耕作している畑はどれも極端に土壌条件が悪いのだが、幸いなことに、ススキなどの草とそれを置いておく場所はたっぷりある。これらの草をせっせと刈り集めては、あちらこちらに薄く積み始めた。

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  溝を掘り、畝を立て、草を載せ(1㎡あたり5kg以上)、ポリマルチを張るなど、労力はかかるが、可能な範囲で実行する予定。ポリマルチ使用は避けたいが、現状ではやむを得ないと考えている。3年後位には土壌環境が整いポリマルチは不要になるだろう、と楽観的(笑)

この方法の概要は、女優・柴咲コウさんに指導している動画でわかる。
◆ モミガラや草だけ使った無肥料の土づくり
 

www.youtube.com


詳細は、雑誌『やさい畑 2021年10月号』に掲載されている。動画を見て、「やってみようかな?」と思われた方は、雑誌記事をしっかり読まれることをお勧めする。

 

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【参考】女優・柴咲コウさんが取り組んだ菌ちゃん野菜作り動画
(「菌ちゃんファームHP 重要情報」より」https://kinchan.ocnk.net/page/2
 
① モミガラや草だけ使った無肥料の土づくり https://www.youtube.com/watch?v=5Lu-xrjOQYI

② 上記①と 同時取材した北海道テレビの放送 www.youtube.com/watch?v=UcWrAUxLJbs

③ どうして虫がつかないのか講義 https://www.youtube.com/watch?v=2j3st1XXJr0

④ 生ごみを使っての土作り https://www.youtube.com/watch?v=jdafC1h9K4k

⑤ 生ごみ・モミガラの土作り 1か月後の経過観察  https://www.youtube.com/watch?v=rD1TcsNIYxA

 

ライ麦の脱穀

収穫・乾燥後、放置状態だったライ麦。ようやく、昨日、友人のKさんの敷地で脱穀作業をさせてもらった。

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まずは足踏脱穀機での作業を開始。
広い空は青く澄み渡り、風もなく穏やかで暖かい気候。
脱穀機のペダルを踏む足取りも軽い。
「ビール飲みながらすれば良かったね!」、「イベントでやったら楽しいよね」と盛り上がった。

そして、脱穀したライ麦を唐箕(とうみ)にかけて、不純物を風で吹き飛ばす。
2回唐箕にかけてできあがり。

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友人のKさんには足踏脱穀機と唐箕を借りるだけのつもりだったのだが、手伝ってもらいとても有難かった。
楽しい脱穀作業、多くの人に体験させてあげたいと改めて思った。

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(参考)昨年、一昨年のライ麦脱穀の様子

【棒で叩き落とす脱穀
 ◆ ライ麦脱穀作業体験(カシコレラ 2019.9.18.)
  https://kasikorera2017.hatenablog.com/entry/2019/09/18/212548

【足踏み脱穀機を使った脱穀
 ◆ 「百姓見習い」らしい一日 ~麦の脱穀と種蒔き~(カシコレラ 2019.10.07.)
  https://kasikorera2017.hatenablog.com/entry/2019/10/07/214117

【機械(ハーベスター)を使った脱穀
 ◆ 機械を使ったライ麦脱穀(カシコレラ 2020.8.2.)
  https://kasikorera2017.hatenablog.com/entry/2020/08/02/161702

ダイコンの「葉採り」第1弾

8/21、写真の畝に、ダイコンの種を蒔いた。1か所に3粒、それぞれ5cmずつ離して。3~4日後、ほとんどすべてが発芽した。
触れ合って育っていた兄弟姉妹も自立の時期を迎えた。

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3つうち2つの株の「葉採り」作業をした(普通は「間引き」という)。

自立したダイコン。のびのびすっきりしたような、寂しくなったような。

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収穫したダイコン葉は栄養価満点。そして、抜群に美味い!

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*8/21播種、8/23発芽。

作物が虫に食われたりする原因 ~吉田俊道さんの考えと実践①

「菌ちゃん先生」のニックネームで広く知られている吉田俊道さん。
「虫が食べるのは弱い野菜。元気な野菜は食べない」という。
では、弱い野菜になる原因は何なのか?

吉田さんは「弱い野菜になる原因」を大きく3つに整理している(『やさい畑(2021年10月号)』p26)。
これを見て、納得!頭の中もすっきり!!

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〈吉田俊道さんの経歴〉

NPO法人「大地といのちの会」理事長。(株)菌ちゃんふぁーむ代表取締役
1956年、長崎市生まれ。九州 大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県庁の農業改良普及員に。
1996年、県庁を退職し、有機農家として新規参入。
1999年、佐世保市を拠点に「大地といのちの会」を結成し、九州を拠点に生ごみリサイクル元気野菜づくりと元気人間づくりの旋風を巻き起こす。
2006年、総務大臣表彰「地域振興部門」受賞(「大地といのちの会」) 
2009年、食育推進ボランティア表彰内閣府特命担当大臣表彰(吉田俊道)。
著書:「いのち輝く元気野菜のひみつ」「生ごみ先生のおいしい食育」「完全版 生ごみ先生が教える「元気野菜づくり」超入門」など

 * 生ごみを使った野菜づくりで注目されていた吉田さんだが、最近は雑草を使って糸状菌が優先的に活躍できる土づくりからスタートする方法を提唱している。女優・柴咲コウさんの北海道の畑で、この雑草を使った土づくりの指導を行い、注目を集めている。これについては改めて紹介する予定。
 * また、映画「いただきます2 ここは、発酵の楽園」で、吉田俊道さんの考えと実践が紹介されている。


〈WEB上の主な関連記事〉

・吉田俊道「有機農業の世界とコロナ」(長周新聞2021年3月16日記事)
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/20463

・吉田俊道さん取材記事「一杯のみそ汁からできる腸活:発酵食品で免疫力アップ」(ニッポンドットコム 2020.05.01)
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c08001/

・吉田俊道さん取材記事「雑草があれば2カ月で有機野菜作り始められる」常識を覆した土作りの方法とは?(yahoo!japanニュース2020/5/16)
https://news.yahoo.co.jp/byline/satoutomoko/20200516-00178777

・予告編 「いただきます2 ここは、発酵の楽園」

www.youtube.com


 * 1分25秒あたりから吉田俊道さんのメッセージと畑の映像。