カシコレラ

高校教員を早期退職。「人生は実験だ」を合言葉に妻と信州に移住。 農・DIY・お金稼ぎの経験皆無の凡人が自給的暮らしを探求中。気ままにあれやこれや投稿。ひととひと、農と環境と教育をつなぐ「虹色ラボ」、真に持続可能な暮らしと生き方研究所「いっさ」主宰。

「花はどこへ行った」① ~曲の誕生

 反戦歌として有名なピート・シーガー作「花はどこへ行った :原題Where have all the flowers gone?」。まずは、ジョーン・バエズJoan Baez)による歌と演奏を紹介。英語の歌詞と日本語訳が字幕に表示される。

◆【英語】花はどこへ行った (Where have all the flowers gone?) (日本語字幕)

www.youtube.com

 反骨のフォーク歌手ピート・シーガー生誕101年目の2020年、ユニークな弦楽四重奏団クロノス・クァルテットが、6人の歌手と共に、『ロング・タイム・パッシング: ピート・シーガーを讃えて』というアルバムを制作・発表した。「花はどこへ行った」など、ピートのカバー曲15曲からなる作品だ(注1)。

 音楽評論家・松村洋さんが書いた、このアルバム紹介記事に興味をそそられた(『週刊金曜日2022.7.29.1387号』)。例えば、「花はどこへ行った:原題 Where Have All The Flowers Gone」の誕生について。

 ピートはウクライナ地方のコサック民謡をもとに第3節までの歌詞を書き、米国北東部の森林労働者が歌っていたアイルランドの歌のメロディーにのせて歌った。その後、フォーク歌手ジョー・ヒッカーソンが第4節と第5節の歌詞を加え、現在の形になった。

 松村さんは書く。
「既成の材料を使い、複数の人の手で新たな曲が作られる。それは、著作権がのさばる前の時代には、世界中で当たり前の歌の作法だった。」

 改めて考えてみると、著作権とは、金儲けを独占するためのもの、成果を自己主張するためのものとみることもできる。肥大化した著作権は、度を超えた金儲け主義と成果主義の象徴の1つなのだろう。そう思った。

 ゆったりとした豊かな弦楽器の演奏をバックに歌手たちが歌う「花はどこへ行った」など、アルバム『ロング・タイム・パッシング』を聞きながら、この曲の関連事項について調べてみたことを何回かに分けてまとめてみたい。

◆ クロノス・カルテット「花はどこへ行った」
Kronos Quartet - "Where Have All The Flowers Gone?" [Official Audio]2020年
( featuring Lee Knight, Sam Amidon, Aoife O’Donovan and Brian Carpenter)

www.youtube.com

◆ Kronos Quartet and Friends Celebrate Pete Seeger - Long Time Passing
https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mBISPsaLqlY4dL6Jvsq8RapXhMKxnftc4
 *アルバム収録曲全曲を聴くことができる。

注1:クロノス・クァルテット『ロング・タイム・パッシング』~越境的に活躍する四重奏団がピート・シーガーゆかりの名曲の再構築
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/27132
 * Web上のアルバム紹介記事

(つづく)