弱者の視点に立った歌詞が若者を中心に熱狂的に支持された、イギリスのロックバンド The Smiths(ザ・スミス)が1984年に発表した楽曲。
ギター、ボーカル、ベース、ドラムスが生み出し絡み合うリズムが心地よく刺激的だ。
ジョニ―・マーのギターが奏でる柔らかくて優しくて美しい音色、モリッシーが歌う美しい言葉の響きに酔いしれてしまいそうになる。
ところが心に突き刺さる言葉が飛び出してくる。
In my life
Why do I give valuable time
to people who don't care if I live or die?
(僕が生きようが死のうが気にしない奴らに、なぜ、かけがいのない大切な時間を捧げなければならないのか?)
この曲所蔵のアルバムを購入し愛聴していた当時、この歌詞が心に引っかかっていたもののその意味を痛切に実感はしていなかった。
この歌詞の意味を痛感したのはその20年ほど後のこと。
自分の野心を実現するため、自分の考えを押し通すためには、現場の教員や生徒が生きようが死のうが気にしない振る舞いをする管理職たちに遭遇するようになってからである。
そして、次の歌詞。
What she asked of me at the end of the day
Caligula would have blushed
“Oh, you’ve been in the house too long" she said
And I naturally fled
In my life
Why do I smile
At people who I’d much rather kick in the eye?
”you’ve been in the house too long”という言葉の暴力性を「カリギュラ(暴君の代名詞である古代ローマの皇帝)でさえ赤面してしまう」と表現している。
改めて歌詞を見ているうちにそのような深刻なことを想起してしまったのだが、心地よく刺激的なリズムと優美な音色と旋律と言葉の響きに酔いしれてしまう素敵な曲だ。真に素晴しい作品というものはそのような両面性を持ったものなのだろう。
The Smiths - Heaven Knows I'm Miserable Now (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=TjPhzgxe3L0
Bass Guitar: Andy Rourke
Guitar: Johnny Marr
Drums: Mike Joyce
Vocals: Morrissey
Writer: Johnny Marr
Writer: Morrissey
<歌詞和訳>Heaven Knows I’m Miserable Now ? The Smiths 曲の解説と意味
https://lyriclist.mrshll129.com/thesmiths-heaven-knows-im-miserable-now/
The Smiths - Heaven Knows I'm Miserable Now (ライブ映像、英語とスペイン語の歌詞字幕あり)