カシコレラ

高校教員を早期退職。「人生は実験だ」を合言葉に妻と信州に移住。 農・DIY・お金稼ぎの経験皆無の凡人が自給的暮らしを探求中。気ままにあれやこれや投稿。ひととひと、農と環境と教育をつなぐ「虹色ラボ」、真に持続可能な暮らしと生き方研究所「いっさ」主宰。

重粘土質畑のジャガイモ収穫

8/3から少しずつラボ4畑のジャガイモ掘りを始めた。 
ラボ4畑はこの地域独特の重粘土質の畑のため、ここでのジャガイモ掘りは重労働だ。

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これだけの量のジャガイモを掘るだけでもかなりの時間と労力を要した。
ところが、この地域はジャガイモの産地。
重粘土質の畑で育つこの地のジャガイモは、かつてはブランド品だったそうだ。
皮が薄く実が絞まっていて煮崩れせずとても美味しいため、かつては関西の料亭や割烹旅館などでしか食べられなかったというのだ。

さて、この重労働、充実感があった。
ジャガイモを傷つけない位置にぐさっとショベルを深く差し込む。

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ぐっと力を入れて底面から土全体を持ち上げるようにシャベルを動かすとジャガイモが姿を現す。

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しゃがんでジャガイモを手で掘り出す。
さらに向こう側に回って、再度シャベルを差し込み土を崩して堀残しがないようにする。

この作業、とても根源的(primitive)で、一人で黙々と行っていると、「生きるために食料を掘っている」という実感が湧きあがってくる。
その感覚が何とも心地よい。

さらに作業を続けていると、作業にも慣れて、さまざまなことが頭をよぎった。
「強風と石が印象的だったアイルランドのイニシュモア島。ジャガイモ畑を見てくれば良かったなぁ...」
ゴッホは『ジャガイモを食べる人々』をどのような気持ちで描いたのだろう?描かれた農民が食べているジャガイモの調理方法は?」などなど。

そして、さまざまな思索のあと、ふと、ある音楽が頭に浮かんだ。

 ◆ Aztec Camera - Release(アルバム high land,hard rain 収録)

www.youtube.com

ジャガイモとは何の関係もない音楽が繰り返し繰り返しジャガイモを掘る僕の頭の中を流れ続けた。

集団で力を合わせて行う農作業も魅力的だが、ひとり黙々と土と作物に向き合い、さまざまな思索を巡らしたり、脳内音楽を再生する孤独な農作業もいいものだ。

ジャガイモ掘り作業は、まだしばらく続く。

(参考)

Roddy Frame - Release(Bridgewater Hall, Manchester, 03-12-13)

www.youtube.com

 * 演奏開始は3:05から

◆シャベル(英語)とスコップ(オランダ語)の違い
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1603/09/news099.html