ゴッホ初期の大作『ジャガイモを食べる人々』。
1885年、ゴッホ32歳の時の作品。
(ゴッホ『ジャガイモを食べる人々』1885年完成、ゴッホ美術館所蔵)
粘土質畑でのジャガイモ掘りの際、この絵が思い浮かんで考えた。
「ゴッホはどのような気持ちで描いたのだろう?ジャガイモの調理方法は?」
我が家では、最近、主食として、畑で収穫したジャガイモを皮ごと蒸かして塩をつけながら、とても美味しく、豊かな気持ちで食べることが多い。
だから、このようなことが気になったのだろう。
インターネットではなく、書籍文献で調べたいと思い、自宅の蔵書をチェックした。
この本に関連する記述を見つけた。
この絵についてのゴッホ自身の言葉が紹介されていたのだ(73ページ)。
ゴッホは、農夫たちの貧しさではなく、農夫たちの労働や生活の誇らしさを描きたかったのだろう。
しかし、上記文献には、調理方法に関する記述はなかった。
絵をじっくり観察しても、おそらく、加熱調理したものをフォークで食べているのだろうと推測できる程度だ。
インターネットで調べていると、次のような記述を見つけた。
「画面右側の少し年齢を重ねた老男女はカップにコーヒーのような飲み物を注いでいる」(馬鈴薯を食べる人たち~食卓についた5人の農民~
http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/gogh_mangeurs.html )
ここで1つの仮説が思い浮かんだ。
食べているジャガイモは皮と周辺部を切り落としたものを加熱したもので、コーヒーのような飲み物は切り落とした部分を原料にしてつくった飲料(一種の代用コーヒー)ではないか、という仮説だ。
* 代用コーヒーについてのウィキペディアの記述によれば、ゴッホの時代には代用コーヒーが飲用されていた可能性はあり、ジャガイモも代用コーヒーの原料になるようなのだ。(「代用コーヒーとコーヒー類似飲料」(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC#%E4%BB%A3%E7%94%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E9%A1%9E%E4%BC%BC%E9%A3%B2%E6%96%99 )
もし、この仮説が正しければ、画面の中の人々はジャガイモを食べ、ジャガイモで作った飲料を飲んでいるということになり、「この絵は手の労働を語るもの」というゴッホの意図に一層ふさわしいと思う。
この仮説が正しいという自信は全くないのが残念だ(苦笑)。
* インターネットで検索して見つけたジャガイモを原料とした代用コーヒーは、皮を炒って作ったもので、コーヒー色ではなかった(「ノンカフェイン・ジャガイモコーヒー」https://coffeemecca.jp/recipe/14732)。
(メモ)
・代用コーヒーとコーヒー類似飲料(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC#%E4%BB%A3%E7%94%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E9%A1%9E%E4%BC%BC%E9%A3%B2%E6%96%99
・香ばし大豆コーヒー
https://cookpad.com/recipe/4551516
・代用コーヒーの歴史
https://matome.naver.jp/odai/2157456878866880801
・南 直「コーヒーとドイツ帝国~国境を越えた飲み物~」
http://www.let.osaka-u.ac.jp/seiyousi/vol_11/pdf/JHP_11_2014_1-16.pdf