まずはこの映像をじっくり見て欲しい。この映像が好きだ。
◆ あかし野菜[明石農園]
明石農園は、2年前、農業スクールでお世話になった明石誠一さんの農園。
明石さんのドキュメンタリー映画が制作されていると聞いた昨年、少額だが映画制作の寄付をした。
明石さんの人柄と取り組みに共感しているからだ。
その映画が完成し、8月24日(土)から、東京・ポレポレ東中野での上映が決定した(とりあえず3週間)。
【東京】ポレポレ東中野
2019年8月24日(土)〜 連日10:30から
https://www.mmjp.or.jp/pole2/
さて、映画を制作した原村政樹さんの文章をもとに映画の紹介文を書いてみた。
これを読んで興味を持って、この映画観たい!と思ってくれたら嬉しいなぁ…
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★ 映画紹介「お百姓さんになりたい」
(「競争社会から共生社会へ。長編記録映画『お百姓さんになりたい』
https://readyfor.jp/projects/ohyakushousan2019 を参考に作成)
小学生の頃から「誰もが自分らしく生き生き暮らしていける社会を築けないか」という想いを持ち続けてきた明石さん。
その理想を農業を通じて実現できないかと、16年前の28歳の時、東京から埼玉県三芳町に移り住んで、新規就農者となった。
当初、わずか4アールの荒地を借りて開墾することからスタート。
有機農業(農薬・除草剤・化学肥料不使用)から始めたが、10年前からは、肥料さえも使わない自然栽培で、現在、60種類もの野菜を育てている。
市販の種はほとんど使わず、畑で育てた野菜から採った種(自家採種した種)を使用しているため、不揃いな野菜が出来るのだが、明石さんは「不揃いであることが自然の本来の姿。不揃いであることは人も同じ。たとえ重篤な障害を抱えた人も、その人の存在意義はある」と言う。
そんな明石さんのもとにはお百姓さんになりたい人たちが集い、研修生として働いている。すでに10人が農家として自立し、今も7人がお百姓さんを目指して、日々、畑で汗を流し、技術を磨いている。
また、地域の障がい者(知的障がい者、精神障碍者)たちも共に働いており、それぞれの能力にあった仕事を、それぞれのペースで進めている。
さらに、収穫体験や調理教室など、様々な交流事業を展開し、市民とのつながりも深めている。
その結果、明石さんに共感する人が増え、明石農園の野菜を食べる市民が増えている。
農業をライフワークに記録映画を撮り続けてきた原村政樹さんは、明石さんのドキュメンタリー映画を制作することで、未来への指針を提示できると考えたそうだ。以下、原村さんの言葉をそのまま紹介する。
「今や未来の展望が見えにくくなってしまったように思えます。将来に不安を抱く若者たちが増えています。派遣労働の拡大や急激なグローバル化、そして、AI技術の急速な進歩。雇用不安、それと同時に少数者に対する差別。
力や財力のあるごく限られた人たちが豊かさを享受できる流れが加速しているように思えてなりません。
そこには、人間中心の考え方があるからでしょうか、人も動物も植物も、土や水といった無生物も共に生きていくという「農」の思想とは対極にあると思えてなりません。
決して科学技術の進歩や経済成長を否定するのではありませんが、あまりにも変化のスピードが速く、日々、何かに追い回され、ストレスを抱えた人が多いのではないか。
このまま進めば、暗澹たる未来が待ち受けているような気がする。いや、そうではなく、人と人、人と自然が心を通わせながら、穏やかに、心豊かに暮らしていきたい。
そんなヒントがこの映画にはたくさんあります。
言い古された言葉ですがこの映画で発するメッセージを一言で表現すれば、『競争社会から共生社会へ』。このことを単なる美辞麗句ではなく、実感をもって伝えるのがこの映画だと考えています。」
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◆ ドキュメンタリー映画『お百姓さんになりたい』公式HP *予告編もあり
最後に、冒頭の映像、「あかし野菜[明石農園]」に表示される言葉。
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みんな生まれてきたときは
希望と、可能性と、未来を抱えた輝く種だった。
やがて根を張り、芽を出し、
葉を茂らせ、実をつける。
何十億年もの間、
この星の上で繰り返されてきた
いのちのリレーの一部になって生きていく。
もしも、うまく芽を出すことができなくても、
実をつけることができなくても
くやんだり、うつむいたり、
大切な気持ちを捨てたり、しないでください。
いまが苦しくなったときは
もう一度、種になろう。
光の射す方向だけを見つめていた種になろう。
もう一度、種になって、
あたしい大地と
あたらしい太陽と
あたらしい風と一緒に生きていこう。
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