もし、今、世界史の授業を行う機会があったなら、是非、紹介したい本が2冊ある。
1冊は、齋藤幸平『人新世の「資本論」』。
もう1冊は、藤村靖之『自立力を磨く』。
『人新世(ひとしんせい)の「資本論」』の論旨は、人類が気候危機を乗り越えるためには(あるいは、人間が人間らしく生きていくためには)、「脱成長」が必要で、そのためには資本主義という経済システムを新しいシステムに変えなければならないということなのだが、これについては改めて投稿したいと思う。
今回は、『自立力を磨く』を紹介する。
資本主義が行き着くところまで行き、行き詰まり、破綻しようとしている今この時代、文明の大転換期を迎えている今この時代。
このような時代にあっても、お金や組織に依存しないで生きる『自立力』があれば、希望をもって豊かに生きることができると僕は考えている。
* 誤解がないように言っておくと、生きることはすべて個人の責任ではなく、社会全体で個々人の生きる権利を支えるシステムを作らなければならず、それが政治の役割だと僕は考えている。「まず自助、次に共助、最後に公助」という考え方には賛同できない。
さて、著者の藤村さんは『自立力』の中身を次の3つに整理している(その基盤に必要なのは『哲学』)。
①『自給力』:食べ物・住まい・エネルギー等を自分で愉しく作る力
②『自活力』:必要な現金は、仕事を創って愉しく稼ぐ力
③『仲間力』:仲間をつくり、仲間と協力して愉しく生きる力
そして、この3つの力があれば、お金や組織に依存しないで豊かに愉しく誇り高く生きていけるだろうとして、3つの力の磨き方を具体的に提案し、自立を実現している人たちの実例を紹介している。
◆『自立力を磨く ~お金と組織に依存しないで得られる豊かさ~』(非電化工房のHP内・目次とプロローグが掲載されている)
http://www.hidenka.net/publish/book11.htm
◆『自立力を磨く』(amazon)
https://www.amazon.co.jp/%E8%87%AA%E7%AB%8B%E5%8A%9B%E3%82%92%E7%A3%A8%E3%81%8F-%E8%97%A4%E6%9D%91-%E9%9D%96%E4%B9%8B/dp/4880594253
藤村さんが主宰する「非電化工房」主宰の「自立共生塾」がオンラインで実施されることを知り、『自立力』を磨きたい僕は、先日、塾生になった。
「自立共生塾」は有料だが、非電化工房では、毎年、住み込み「弟子」(期間1年)を募集しており、「弟子」となれば、労働力を提供する代わりに3食と生活場所を無料提供されてさまざまな技能を身につけることができる。
「弟子」は女性の方が多い傾向がある。また、2020年の弟子は3人でそのうちの一人は、高卒後、18歳で弟子入りした男性(19歳)だ。
関心がある方は、是非、下記のHPやブログをご覧ください。
◆ 非電化工房HP
http://www.hidenka.net/
◆「非電化工房住み込み弟子が、非電化工房の魅力について解説するよ」(2017年に「弟子」となったあべさん(女性)のHPより)
https://abeyuka.com/hidenka/
◆「非電化工房住みこみ弟子生活のリアル」(2019年に「弟子」となった久保さん(女性)のnoteより)
https://note.com/kubo3/n/nadf3e5c0f59a