カシコレラ

高校教員を早期退職。「人生は実験だ」を合言葉に妻と信州に移住。 農・DIY・お金稼ぎの経験皆無の凡人が自給的暮らしを探求中。気ままにあれやこれや投稿。ひととひと、農と環境と教育をつなぐ「虹色ラボ」、真に持続可能な暮らしと生き方研究所「いっさ」主宰。

ズッキーニのタネ出しで考えたこと・その2

 上の写真はワタを取り除いたズッキーニのタネをネットに入れて天日干ししているところ。

 ワタが混ざったズッキーニのタネをネットやザルに入れ、水洗いを繰り返す。そのようにしてワタを除去するのだが、この時期の水はとても冷たいので、作業を終えると体が冷える。

 この作業中に頭に浮かんだのが非電化工房主宰者・藤村靖之さんが提唱している「カボチャのゴミ溜め栽培」(注3)。
 食べ物ゴミを投入した地面に掘った穴に調理時に出たカボチャの種を捨てておくと春には発芽し夏にはとても立派で美味しい果実を付けるというのだ。我が家でも調理時に生じる野菜の残渣を畑の片隅に捨てるのだが、そこにはたくさんのカボチャが発芽し、育って美味しい果実を付けてくれる。今年などは手間暇かけて播種・育苗したカボチャはうまく成長せず、果実を付けてくれたカボチャは全て捨てたタネから発芽したものだったというほどだ。

 自然の状態では、何らかの方法で好条件で土を被ったタネが春に発芽する。タネ自身が適切と判断した時期に根を伸ばし芽を出すのだ。
 人間が栽培する場合、タネを直播す場合でも、育苗して定植する場合でも、すべてのタネが発芽することを期待する。しかし、自然状態では、何十個もあるタネのうち、1つでも発芽し果実を付けることができれば、子孫を残すことに成功したことになる。
発芽率はその程度でいいのだ。

 ところが今自分が行っている作業は、来年、6株ほどのズッキーニを栽培するために、優に100個は超えるタネを体が冷える思いをして果実から取り出して保管することだ。ならば、ワタとタネの分離などせず、下の写真の状態のものを6つに分けて生育環境が整っていると思われる場所にそっと埋めればいいのではないか。そう考えたのだ。

 タネ出しはすでに終えてしまったズッキーニでは実験できないが、カボチャは調理に使う際に種取りをする。この冬はカボチャで実験してみようと思う。

 

注3:藤村靖之『自立力を磨く』2020.而立書房