カシコレラ

高校教員を早期退職。「人生は実験だ」を合言葉に妻と信州に移住。 農・DIY・お金稼ぎの経験皆無の凡人が自給的暮らしを探求中。気ままにあれやこれや投稿。ひととひと、農と環境と教育をつなぐ「虹色ラボ」、真に持続可能な暮らしと生き方研究所「いっさ」主宰。

世界から戦争を失くす方法 ~音楽家カザルスの体験と主張

 音楽家パブロ・カザルス(1876-1973:スペイン・カタルーニャ生まれ)にまつわるエピソードを紹介する。

 カザルスの弟・エンリケ宛てにスペイン陸軍から召集令状が来た時のこと。エンリケの母・ピラールはエンリケに言った。

「お前は誰も殺すことはありません。誰もお前を殺してはならないのです。人は殺したり、殺されたりするために生まれてきたのではありません。行きなさい。この国から離れなさい。」

 エンリケはアルゼンチンに脱出。18年間亡命生活をした。
 エンリケを戦争に行かせなかった母について、カザルスは次のように述べている。

「母は息子の命を救おうとしたのではない。間違ったことはしない、正しいと思ったことをする、という原則を守っただけなのだ。母はいつもこう言っていた。特定の法律はある人たちを守りはするけれど、他の人々には危害を与えることもある。法律ですら、善悪の判断は自分でしなければならないと…。もし、世界中の母親が息子に向かって、私の母と同じことをしたなら、世界から戦争はなくなるだろう。」
 
 そう単純ではないかもしれない。しかし、平和と戦争について深く考える1つの契機になるエピソードだと思う。

「なぜ、人は戦争に行くのだろうか?」
「戦争は起こるのではなく、起こされるというが、だれが戦争を起こすのか?」
「戦争で得をする人たちがいるというが、どのような人たちが得をするのか?」
※ここで紹介したエピソードはTV番組「知ってるつもり・パブロ・カザルス」で放映されたもの。カザルスやピラールの言葉は番組の字幕を起こしたものである。文献にもとづいて番組は制作されていると思っているが、文献での確認は私は行っていない。

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