政権によるメディアへの露骨な政治介入に対する記者・局員たちの抵抗を描いた韓国のドキュメンタリー映画(2017年製作)。2018年6月、日本での一般公開に際して開催された上映会&シンポジウムに参加して鑑賞した。
抵抗する記者・局員たちがYBというミュージシャンのBLUE WHALEという曲を歌うシーンがとても心に残っている。
★① YB BLUE WHALE を歌う場面 映画『共犯者』より
* 0:58より練習風景
* 2:10より音楽スタート
この音楽映像は、僕が困難に直面した際、自分と天命を信じて一歩一歩進めばいいと背中を押してくれる。いわば、自分の心の土台を再確認させてくれるものの1つだ。
映画紹介文を引用する(◆部分のみ私が加筆)。
「2008年、〈米国産牛肉BSE問題〉などの報道により国民の支持を失いかけた李明博政権は、メディアへの露骨な政治介入を始める。
狙われたのは公共放送局KBSと公営放送局MBC。
政権に批判的な経営陣が排除され、調査報道チームは解散、記者たちは非制作部門へと追われた。
両局の労働組合はストライキで対抗するが、政権が送り込んだ新しい経営陣は解雇や懲戒を濫発。
その結果、政府発表を報じるだけの「広報機関」となった放送局は、〈セウォル号惨事〉で「全員救助」の大誤報を流し、〈崔順実(チェ・スンシル)ゲート事件〉の隠蔽に加担することになった……。
しかし、局内に残った記者たちは、さらに激しいストライキに突入。
不当解雇されたチェ・スンホ監督(◆この映画の監督)たちは、市民の支援で立ち上げた独立メディア「ニュース打破」で調査報道を継続。
言論弾圧の「主犯」である大統領と、権力に迎合して韓国の報道を骨抜きにした放送業界内の「共犯者たち」をカメラの前に立たせ、その実態と構造とを明らかにしていく。」
(共犯者たち ドキュメンタリー映画(ASIAN Documentaries)
https://asiandocs.co.jp/set/310/con/470 より)
そして、なぜ、日本のメディアは政治的介入に声を上げないのか?韓国と日本の政治家やメディア幹部の違いを指摘し、この差は日本の市民側にもあるのではないか?そう問いかける雑誌記事の末尾を引用する。是非、全文のご一読を。
「一つ気付いたことがある。追われる「共犯者たち」や「主犯」にも、崔監督へのリスペクトがあることだ。最後に李元大統領に迫るところが出てくるが、そこに冷笑はなかった。対決の場面にはいつも真面目さが漂っていた。日本の政治家やメディアの幹部となんと大きな違いだろう。この差はわれわれ市民の側にもあるように思う。」
(『共犯者たち』〜政治権力と闘った韓国放送人たちの熱き記録 /永田浩三 2018.08.09(WEB 世界)
https://websekai.iwanami.co.jp/posts/1086 より)
(参考)
・YB - Blue Whale(英語 ハングル ローマ字字幕)
・歌詞の和訳
https://ameblo.jp/qszo29/entry-12700856132.html
・歌詞の英語訳
https://popgasa.com/2011/11/23/yb-blue-whale-%ed%9d%b0%ec%88%98%ec%97%bc%ea%b3%a0%eb%9e%98/
The path that started from the small pond
I wish it would lead to the ocean, the ocean
I might be tired from that dangerous path
I walk and walk with slow footsteps
* When the path you take is too tiring and hard
Tell me, don’t hide it because you’re not alone
** Just like blue whales, someday, let’s swim
I hope we fan live in this big world without fear
I hope we become those kind of people
Don’t be scarred anymore, don’t cry but smile
* repeat
** repeat
* repeat
** repeat
Those kind of people
・映画「共犯者たち」日本語字幕付き予告編
・見どころとあらすじ(シネマトゥデイ)
https://www.cinematoday.jp/movie/T0023434
・共犯者たち&スパイネーション自白 公式HP
http://www.kyohanspy.com/