カシコレラ

高校教員を早期退職。「人生は実験だ」を合言葉に妻と信州に移住。 農・DIY・お金稼ぎの経験皆無の凡人が自給的暮らしを探求中。気ままにあれやこれや投稿。ひととひと、農と環境と教育をつなぐ「虹色ラボ」、真に持続可能な暮らしと生き方研究所「いっさ」主宰。

トラウマ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、生きづらさから解放されるためのセルフケア 前編

 

 ビッグイシュー2022年3月15日号に興味深い記事が掲載されていた。トラウマセラピスト・花丘ちぐささんを取材した「哺乳類が持つ、第3の自律神経とは?」という記事。概要は次のようなものだ。

 自律神経は交感神経と副交感神経の2つだと考えられていたが、第3の自律神経が発見された。この発見によって、トラウマやPTSDの発生、人の性格やコミュニケーションについて、より深く理解する学説が生まれた(ポリヴェーガル理論)。この学説により、トラウマやPTSDや何となく生きづらい状態から解放される道筋を見いだすことができる。それだけでなく、性格に関する偏見からも自由になり、人間がお互いを大事にし合うことが増え、真に平和な社会をつくっていく希望ともなる。

 

 第3の自律神経の正体、ポリヴェーガル理論の概要がとても興味深いのだが、まずは、花丘さんが推奨するセルフケアを紹介する。

 ポリヴェーガル理論によると、自分の身体に心地よい刺激を与えたり、他者と交流して「安全である」感覚を味わったりすることで、トラウマやPTSDや生きづらさから解放されるという。

 花丘さんお薦めの自律神経セルフケアは、「散歩」「緑や自然に触れて、新鮮な空気を吸う」「ヨガ」「ダンス」「スポーツ」「思いやりにあふれたコメディを観て笑う」「歌う」「食卓を囲む」。人間から傷つけられた体験がある方は「犬や猫や馬など哺乳類の動物との触れ合い」も大切で、特に、馬は人間を安心させてくれる効果が高いという。

 「別に目新しくないんじゃない?」と思われるかもしれない。ポリヴェーガル理論に私が魅力を感じたのは、トラウマやPTSDの発生とそれからの解放のしくみの説明に希望を見出せることなのだ。(つづく)

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