カシコレラ

高校教員を早期退職。「人生は実験だ」を合言葉に妻と信州に移住。 農・DIY・お金稼ぎの経験皆無の凡人が自給的暮らしを探求中。気ままにあれやこれや投稿。ひととひと、農と環境と教育をつなぐ「虹色ラボ」、真に持続可能な暮らしと生き方研究所「いっさ」主宰。

思いがけない再会 ~希望を持って生きる~

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先日参加した非電化工房でのコンテナハウス勉強会の時のこと。
「 I 先生ですか?」
目の前にいた若い女性が僕に向かってそう言った。

なんと彼女は4年前、僕の世界史の授業を受けていた教え子だった。
今、大学在学中なのだが、この日はボランティア・スタッフとしてたまたま非電化工房に来ていたのだ。
僕は生徒に非電化工房について話したことはないのだが、僕の授業の影響で彼女は非電化工房に興味を持つようになったという。

そして、後日、非電化工房主宰者・藤村靖之さんからうれしい話を伺った。
「私は I 先生の授業を受けて未来への希望を見出すことができたんです」
彼女は藤村先生にそう語ったというのだ。

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当時、僕が大切にしていたことは、多様な価値観と生き方。そして、自分を、他人を、命を大切に生きること。

世界に目を開けば多様な価値観を持ち、多様な生き方をしている人たちがたくさんいる。日本の国内にも。
人生のどこかで躓いたとしても、外に目を向ければ、別の生き方が見えてくる。躓いたからといって「もう終わりだ」と絶望する必要はない。絶望してはいけない。
大切ことは、自分を大切に生きること、自分と同じ権利を持っている他人を大切に生きること、そして命を大切に生きること。

3年前、僕の教員生活最後の世界史の授業を受けた男子生徒が次のような感想を残してくれた。

「世界史最後の授業を受けて自分がどう生きていきたいか、はじめて考えることができた。私は今まで自分の人生に対して、まったく希望を持っていませんでした。自分はつまらない人間で、このまま一生つまらない生活をして何もしないまま死んでいくんだろうなと考えていました。ですが、今回の授業で少しだけ考え方が変わりました。たとえこの先の未来に行き詰ったとしても、自分も知らない全く違った生き方もあって、そこで助けてくれるような人々もたくさんいるんだと少し安心しました。自分もやれるだけ社会でやってみて、社会でもまれて、どうしようもなくなったときは、別の生き方を選択したいと思います」

子どもや若者たちが希望を持って生きることを切に願う。