カシコレラ

高校教員を早期退職。「人生は実験だ」を合言葉に妻と信州に移住。 農・DIY・お金稼ぎの経験皆無の凡人が自給的暮らしを探求中。気ままにあれやこれや投稿。ひととひと、農と環境と教育をつなぐ「虹色ラボ」、真に持続可能な暮らしと生き方研究所「いっさ」主宰。

【修正版】安全・安心なリンゴ① ~リンゴの皮と中身とネオニコチノイド系農薬~

自宅から車で15分程のところに「無農薬リンゴ」を栽培しているリンゴ園があることを知り、購入してきた。

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虫対策に木酢酢のみ使用し、化学農薬は使用していないリンゴだ。
残留農薬の心配がなく、とても美味しい。
そして、皮ごと食べることも可能だ。

「農薬を使用していても洗って皮をむいて食べれば安全・安心でしょ!」と思う方も多いと思う。
しかし、それは一昔前の常識で、最近のリンゴ事情というか、日本の農薬事情を考慮するとそうもいかないらしいのだ。

農薬不使用のリンゴを簡単に手に入れることができない人を不安にさせるようなことを、安易には書きたくない。
しかし、農薬をめぐる日本の現状があまりにも深刻であり、この現状を改善するには私たち一人ひとりが真実を知り、意識を変えるしかないので、敢えて書くことにする。
 * 安全・安心は付加価値ではなく、誰もが享受できなければならない、あたりまえのこと。
 * そして、国民の食の安全・安心を守ることは、政府が果たすべき役割であり、政府を正しく機能させるためには国民・市民の声が必要である。

ネオニコチノイド系農薬(作物全体に浸透する性質がある農薬)を使用して栽培されたリンゴは、洗って皮をむいて食べたとしても中身まで農薬が浸透しているため、安全・安心とは言えないようなのだ。
今までは、洗って皮をむけば安全だというのが常識となっていたが、その常識が通用しなくなっているのが現状なのだ。
少なくともそのような調査結果が存在する。

この問題について、わかりやすくまとめて書かれた記事がこれである。
★★★① Yahoo!ニュース:「農薬は洗えば落ちる」は本当か?(2020年9月7日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20200907-00197133/

そして、上記①の根拠となっている調査結果が次の②と③などだ。

★★② リンゴの皮と中身とネオニコチノイド系農薬(一般社団法人・農民連食品分析センター)~リンゴの皮と中身とネオニコチノイド系農薬アセタミプリドの分布~ 2020年9月8日再構成
https://earlybirds.ddo.jp/bunseki/report/agr/neonico/fruits/index.html

③ 東京都健康安全研究センター年報2015:国内産野菜・果実類中の残留農薬実態調査(PDF)
http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/archive/issue/kenkyunenpo/nenpou66/189-195.pdf


実は、海外ではネオニコチノイド系農薬の問題の深刻さに多くの人々が声をあげたため使用禁止になったり規制が強化されたりしている。しかし、日本では残留農薬基準が緩められるなど世界の動向に逆行しているのだ。

では、安全・安心なリンゴを食べるためにはどうすればいいのだろうか?
市民が声をあげるってどうすればいいのだろうか?

(つづく)

(追記)ネオニコチノイド系農薬の問題については以下が参考になると思う。

・ ネオニコチノイド系農薬問題(一般社団法人 アクト・ビヨンド・トラスト)
https://www.actbeyondtrust.org/project-neonico/


★★「ネオニコチノイド系農薬の危険性を、科学者が警告しています。」
 * ネオニコチノイド系農薬に関する科学的知見を一般社団法人 アクト・ビヨンド・トラストが独自に整理し、市民活動などに際して確実に言えることと、その参考資料を厳選して、わかりやすくまとめたものです。活動計画の手がかりにしたり、典拠を明記のうえ抜粋・引用したり、自由にご活用ください。(2019.12更新)
 https://www.actbeyondtrust.org/wp-content/uploads/2019/11/alert2019.pdf


★★「浸透性殺虫剤タスクフォース 日本語字幕つきショートフィルム(11分)」
 * 国際自然保護連合(IUCN)に助言する「浸透性殺虫剤タスクフォース」(The Task Force on Systemic Pesticides)の科学者たちが、ネオニコチノイド系農薬の生態系に与える影響や予防的に使用することの弊害、さらには農薬業界の科学的根拠の欠如などを語ったショートフィルムです。ネオニコチノイド系農薬の問題の入り口として、世界の科学者の知見と懸念を知ることができます。
 http://www.tfsp.info/ja/